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27 . April
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17 . March
連貼り!
今度はちょっと見る人が見ればアレかと解るパロ物です。
オーフェン好きの方、ちょっと今度辺り麻雀しませんかい?




 

 

本日は晴天なりとうたいたくもなる程雲ひとつ無い青空の下、
魔法の森はその光を一身に受け森の中には一切光を通さなかった。
そんな真っ暗な魔法の森に光が通る場所と言えば開けた場所か森の入り口しかないだろう。
その光が差し込む魔法の森の入り口付近にある香霖堂にはある種常連客の面子の一部が集まっていた。


「それにしても美味しいわね~このお菓子」

その中で奇抜な洋服…ドレスに近いある種悪趣味な格好をした八雲紫が甘い声を漏らす。

「前に食べたときからどうやって材料を仕入れようか悩んでた物なんだ、流通ルートの確保手伝ってくれて助かるよ」

と、答えるのは銀髪、蒼目、新調したのか縁の明るい眼鏡をつけた見た目18かそこらの青年がカウンター越しに無愛想な表情で受け答えをしていた。

しかし正確には此処はもう香霖堂では無い。新しく霖之助が始めた喫茶店である。
店の名前はレストラン・ト○ザルティー。紫が外の世界で書いた本を元に命名した名前である。うん、JOJOネタ自重しろ。
急展開過ぎだろう、何故こうなったんだ? その質問に答えると資産があっても現金の手取りが圧倒的に少なく生活に困った霖之助、
結果収集を趣味程度に抑え、店を出す事で資金を蓄える事にした訳だ。
しかし流通ルートに材料などを仕入れるような場所は無く、そのままでは材料費を割高で仕入れ無ければならないと言う難題にぶち当たった。

それを解決したのが目の前に居る隙間妖怪八雲紫。個人のネットワークで農家や商店から購入できるように取り繕ってくれたのである。
つまり紫の御蔭でこの店が成り立ったのである。この店の命名を紫が行ったのも頷けるだろう。


「お安い御用よ。あんな簡単な事をしただけでウチだけ安く買わせてくれるなんて、サービス良すぎるんじゃない?」
「例え簡単な事でもそのアイデアを出したのは紫、君じゃないか。感謝しているよ」
「うふふ此方こそ」

お互い陰徳も何も無い素の清清しい笑いを灯す。
どこかその2人の笑顔は見惚れそうなものであった。

 

「おい香霖、これは幾らするんだ?」
「ああ、珍しいな魔理沙が代金を支払ってくれるとは。丁度君が手に持ってる紙幣一枚分だよ」
「ツケを清算した後に一々ツケを作るのが面倒なだけだぜ。早速作ってくれよ」

魔理沙の言葉通り、香霖堂を結果的に潰した事を悔やんだ魔理沙は反省の意味を込めてツケを返し、定期的にタダ働きまですると言い出したのだ。
其れほどまでに悔やんでいたのだろうしかし結果的にそれは遅く、すでに香霖堂は見る影もなくなってしまっていた。
今でも霖之助の脳髄には魔理沙の悲しい顔が刻まれている事だろう。


包丁は単調なリズムと言うより軽薄なリズムでザクザクという音を醸し出している。
その切った物をさらに盛り付けると同じ皿に盛り付ける料理を作るために些か古そうな鍋を手に取ると油を流し込む。
ちなみに魔理沙が頼んだメニューは白身魚のフライである。


「あら、何時の間に此処は喫茶店になったのかしら?」
「正直商品の在庫はあっても手取りがあまりに少なくてね。こういう事を始めるしかなかったのさ」
「それにしても香霖が料理趣味があったなんて意外だぜ」
「僕は割と長生きしてるからね、ある程度なんでも出来ると言う訳さ。だから同じ論理で紫も似たような事が出切る筈だけど?」
「私は最近30年くらいは藍に任せっぱなしだから如何かしらね」
「君も謙遜ばかりだね」
「お互い様よ」

「店主、私はストロベリーサンデーを」
「畏まりました。メイドさんも如何かな」
「じゃあこのレスカって言うジュースを御願いしても?」
「順番もあるから多少待って欲しい。何、直ぐに出来るから大丈夫だよ」


和やかでかつ賑やかな雰囲気の店内、思い思いのひと時を共有する幻想郷の著名人たち。
そんな和やかな空気の中、一角だけが漆黒のオーラで包まれていた。


博麗霊夢である。
元々貧乏だった彼女は一部霖之助の食事をアテにしていたのだが、

霖之助が新しい商売を始めてからツケを取ってくれなくなってしまい、この有様。ちなみに現在断食3日目との事。
ぐぎゅるーと大きい音が腹から出ると再び霊夢に対して視線が集まる。

「…流石に可哀想に思えて来たのだけれど」
「甘やかしたら駄目だぜ。絶対返すアテなんて無いんだからな」
「……」

空腹の極みに落ちたであろう哀れな霊夢は馴染みのカウンターに力無く頭を乗せたまま横向きになると、
感慨も無くレミリアの方を見やると恨めしいような視線を浴びせるように睨む。


「バイトでもすればいいじゃないか。って巫女はバイトしたらいけないんだったか?」
「いざとなったら私が観てあげるからそうしょ気ないで」


恐らく本気で言っているのであろうその一言は確実に博麗の巫女のプライドをズタズタに引き裂いた事だろう。
うぅと言ううめき声と共にビクッと跳ね上がる。


「ヒモか私は! 博麗末代までの恥じゃない!?」
「あら、ヒモでも良いじゃない。愛玩動物よりは格上よ」
「ゾウリムシがワラジムシに昇格した並に団栗の背比べみたいな事言わないで。ううう」

 

ちなみにさりげなく昇格していないとだけ言っておく。
空きっ腹を抱えて霊夢は呻いた。
何とか顔を上げて吐息を漏らすと空腹に泣く内臓の前でお払い棒がかたりと音を立てる。


「それにしても霖之助さんは優しいわね。意味もなく食費をくれるんだから」
「流石に返すアテもないのにツケにするのも可笑しな話だから勘弁して欲しい」


訳の解らない事を行っていると思われるだろうが、これもれっきとした友達にご飯を奢らせる為の前振りだったりする。
しかし如何せんそういう知識も何故か持っている霖之助には通用しなかったようで釘をこれでもかと刺されてしまった。

皆が皆博麗の巫女である彼女に冷たく当たっている様にも見える。
しかし実際はどうにかしたい気持ちで一杯ではあるのだが、
魔理沙の言うように甘やかすのは良くないと思っているので心を鬼以上に鬼として見守っている。
不思議とその霊夢を見つめる目線には悲哀の様な物が混じるようになり、居心地が悪くなったのであろう、
霊夢はシャキッと立ち上がると大声を張り上げる。

 

「解ったわ!解ったわよ!ちょっと稼いでくるわよ!」
「ちょ…霊夢待った。無茶言わないの」
「そうそう万が一にも霊夢が稼ぐなんて…」
「まぁ奇跡が起きても有得ないですよね」
「あら早苗居たの?」
「知らんかったぜ」


もっとも山の上に巫女よりは幾分かマシな扱いを受けているのでその分は幸せだろう。
仕舞いには山の巫女はヘヤノスミスでひたすらにのの字を書き連ねている。
何処かの魔女の娘みたいで恐怖を覚える。


「とりあえず無茶と無謀は違うんだ。解るだろ霊夢」
「畜生! 絶対稼いで来て見返してやるーっ!」

 

と言っている内に彼女の姿が点となって消えて行く。
恐ろしい人間では有得ないような点描な速度で逆に呆れる面々は静かに其れを見守っていた。

 

「畜生って女の子が吐く台詞じゃないだろうに」
「…まぁ見守るしかないんじゃない」
「賭けるか? 霊夢が稼いでくるか来ないか」
「賭けに成らないよ。皆稼げないに賭けるに決まってる」

 


笑うに笑えない空気の中、ただただ霖之助の調理風景だけがせせこましく写っていた。
このまま話が終わればきっと唯のご都合主義的な幸せストーリーの完成だった事だろうあんな事が無ければ…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


「ただいまー、稼いで来たからご飯頂戴」

 


がしゃーんっずでどんがらがっしゃーんごろごろごろごろびゅーん

 

 

 


丁度持っていた皿を静かに手からすべり落とす器用な霖之助はそのまま泡を吹いて倒れこんだ。
さらに大袈裟な音を立てて紫がスキマの中に墜落するように消え、何故か意味もなく商品の一部と表に飾ってあるツボが破裂。
2階の階段からどたたたたたたた、と壊れた玩具のように朱鷺の子が転がり落ちて壁に衝突し、
さらには吸血鬼とその従者と山の上の巫女が同時に唾と鼻水と二酸化炭素を噴き出した。
ついでに文もスタンドも月まで吹っ飛ぶ衝撃を受けたかの様に何処かへ飛んでいってしまった。

 

「れれれっれれれれれ霊夢!? なにその手に握ったゆゆっゆ諭吉さんは!?」


即座に復活した紫が叫びながら近付いてくる。
隙間の中で打ったのか頭から血がどくどく流れているがそれみよがしに手元の数枚の貨幣をまじまじとみつめる。

 

「何って、普通に妖怪退治して稼いで来たのだけれど」

しれっと答えると店内に動揺が走るようにざわめきも走る。
あらゆる面々の人物達が卒倒したり蒼白になったり、
この世のものとは思えない光景が目の前に降臨し出した。

 

「もう駄目よ…幻想郷は今日のうちに滅びるわ…」
「有得ないわ…この貨幣は物理的にこの世に存在してはいけない筈…なのに存在する…パラドックスよ!タイムパラドックス!未来を変えてはいけないわ!!」
「そんな! 嘘だろ!? 嘘だと言ってくれよ霊夢!!」
「やかましいと言うか最底辺の冗句ね」


さっきから途方に暮れるように嘆いている面々にこれでもかと紙幣を掲げてみせる。
其れは紛れも無い本物であったのがさらに混沌を呼ぶ事になるのだろうか。

 

「まさかそんなこと出来るわけ無いじゃない…あれよ……人の里を襲撃とかしたんでしょう?」
「一体どんな種類の犯罪ちっくな非合法議事労働、というかついうっかりこの世界には存在しない警察が見逃してしまってるかもしれない悪事を働いてきたの?」
「ほら、怒らないから正直に言いなさいって。罪は償えるし人生はやり直せるんですよ?」
「博麗の巫女がそんな事するわけが無いでしょう!」
「霊夢が稼いでくるほうが現実的に有得ないんだよ!」
「そう、きっとこれは夢ですね。目を覚ませばこれは悪い夢だったと思う程度の夢ですよね…」
「まさか霊夢、君はしてはならない事をしたんじゃないだろうね!?」

何時の間にか息を吹き返した霖之助に八つ当たり含めてグーパンチをかますとすかさず頭を掴みどこぞの不良の様に胸倉を掴み直す。

「あーのーねー!だからいい加減にしなさいよ!!人を馬鹿に――ッ!!」


そのまま首を締め上げていると横から魔理沙がハンカチで顔を覆いながら震える声で言ってくる


「ここっこ香霖が言ってたんだ。友達が悪い道に走ったならどんな事をしてでも止めろって!!」
「ちょっと待った魔理沙、なんで八卦路なんて構えてんのよ」
「おおお前の事を考えてと止めようとだな」


魔理沙が構えている八卦路をお払い棒で叩き落して声を張り上げる。

 

 

 

「大体稼いでこればいいって言ったのは魔理沙じゃない!」
「まさか私の発言を曲解してそんな犯罪に手を染めてしまうなんて思いもしてなかったんだ!」
「だから! これは妖怪退治で普通に稼いだ正当な報酬――」
「妖怪から巻き上げたのか!? それとも依頼主から巻き上げたのか!?」
「いい加減に人の話を――」
「霊夢! 見損なったわ」
「ああもう!狙ったように 次から次へとっ!」


窒息し、意識を完全に手放した霖之助をゴミのようにポイっと捨て振り向く。
するとなにやら紅い、大きい見覚えのある槍を構える少女が今にも投げまいと振りかざし、今それをブン投げて来た所だ。
素早く体を捻り運命の槍軽々と避け、投げてきた張本人を油断無く見張ると大きな瞳に涙を溜めながら、
最悪な事に同じような槍を5本ほど束ねて少しづつにじり寄ってきている。


「私の霊夢ときたら僅かな、ほんの一握りのお金欲しさに老若男女問わず無差別に襲い掛かって里を全壊させるような娘じゃ無かったのに…」
「誰がアンタのなのよ。というか妙な作り話を混ぜるな」
「私はそんな霊夢は駄目だと思うの。今の霊夢には味方できない。だけど何時か恋人同士解り合える日が――」

 

とか言っているうちに霊夢が取り出した札から溢れる幾つかの球体が展開される。
みょんな何処かのヒロインっぽい台詞を吐きながら涙で目を腫らしていたレミリアに待っていたのは容赦の無い突っ込み(夢想封印)であった。


「妙に格好の良い事交えつつ事実を捏造するなぁっ!!」
しばらくすると思い出したように霊夢はふーはーと息を荒立てながら店に居る客達と距離を取った。
そして手に持った紙幣を握り締めると頭を抱えながら震えた声で呻いた。

 

「何よこの苛め……」
ちょっと泣きそうになる霊夢であった。

 

 

 

 

すると、ばんっという音と共に店の扉が開く。
其処に立っていたのは奇抜な帽子を被った石頭の少女であった。
上白沢慧音は何時もよりもドスが聞いた声で呟いた。

 

「ここか、里で凶悪犯が出たと号外で載っていたのは」
「タイミング的におかしいでしょう!? それ以前にあのアホカラス見ないと思ってたらそんな事を…」
指を刺して叫ぶが誰も聞かない上に一部の妖精はすんすんと鳴き声を出し始める始末。
仁王立ちの慧音の後ろから件の殺し愛蓬莱人達やその従者とかウサギ達がわらわらと入り込んでなにやら好き勝手に騒ぎ出す。
涙目の霊夢を他所に、勝手に、ありもしないようなことを。

 

「そこの凶悪巫女、抵抗は止めて大人しくしてください。じゃ無いと此方が死にます、マジで」
「恐怖を持て余す」
「スネーク口調自重しろ」
「そうは言うがな大佐、如何せんスネークネタは面白すぎる」
「お前らボケてる前に人質を解放しろ」
「あそこに倒れているのはこの店の店主じゃなかったっけ?」
「って貧乏巫女がなんで金を!?」
「繰り返す。其処の凶悪犯、その金を持ち主に至急返して抵抗も止めてください、マジで」


「あんたらいい加減に人の話ぐらい聞きなさいよぉおお!!」

 

その後、某魔術師の如く逃亡劇を繰り広げるが余談にしかならないだろう。
私(地の文)が出来る事といえば…彼女の自首を願うばk――
「アンタも!」
バキィ、ドシャ!

 

 


……………

 

…………

 

………

 

 

 

 


「待ちなさい其処の凶悪犯!」
「絶対に逃げ切って私の無実を証明してみせる!」
「後ろめたい事があるから爆破テロを起こして逃げた!?」
「奴は爆破テロリストで100人はもう殺ってる!?」
「なんでよぉおおお!?というかテロリストって何!?」

「待てー!その先は引き返せない悪への道よー!」
「それ以上罪を重ねるな!私達を絶望させないで!」
「私が一体何をしたぁー!?」

「何なのよこの展開はってあぶな!?」
「うわぁあん! 何故か巫女に体当たりされたよー!!」
「私のリグルぅ!!」
「嗚呼! 唯一の友達を早くに亡くした友達居ないので有名な幽香さんのお友達が襲われているぞ! こんな恐ろしい事が許されるのか」
「凶器を持ってるかもしれない!」
「なんだ、何が起きたんだ俺達の平和な里に!?」
「殺人鬼よ! 殺人鬼が現れたわ!」
「鬼と聞いて参上!!」
「つるぺた幼女自重しなさい!」

「えっへん! 紅白、しんたいきわまっているようね! このさいきょうのわたしがこうはくのざんがいをきれいにあとしまつをせんとかれいにとうじょー!」
「チルノちゃん私なんか次の展開が見えてきてるんだけど……」
「夢想封印 集!」

「こうなったら最後まで逃げ切って無実を証明してやるぅぅっ!」

その後逃走中に発せられた夢想転生の余波にて里のはずれの家が10戸ほど崩壊。
その他主要施設の破壊を行なったとして自己犠牲の精神でもって自警団団員(もこたん)に諭されるまで彼女は自己の無実を訴え続けた……


貧乏巫女は何をした?
里の人々は口をそろえてこう言う事だろう。

器物損壊と。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

おまけ

「…正直やりすぎたかしら」
確信犯か。

 


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プロフィール
HN:
刑事ボロンゴ
年齢:
34
性別:
男性
誕生日:
1989/11/08
職業:
学生兼店員
趣味:
楽の探求
自己紹介:
ヘタレ、知らない間に告白されて知らずに振っていたというポルナレフ的な体験をするような大ボケ。
散髪する金が勿体無い今日この頃。


このサイトの傾向
霖之助とその他女性キャラとの妄想話など
短編SSやネタSSなどを取り扱っています。
リンク? アホブログで良ければ無断リンクでも良いのでばしばしどうぞ。

メッセ用メアド keijiboronngoあっとまーくhotmail.co.jp



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