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29 . March
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24 . November
久々に小ネタなSSでも。


それは昔を語る彼女の言葉の羅列。
語る彼女の表情は嬉々としているものだった。


 

 

 


空一面に覆われた雲が季節、つまりは冬の兆しを見せるその頃。
雪降り積もる中、竹林を彷徨う影が一つ。
その影はゆったりとした足取りで確実にある建物へと向かっている。
それと言うのもその影は永遠亭の主人蓬莱山輝夜であるが故だろう。


今日も雪が降り積もる中妹紅との弾幕合戦を繰り広げた彼女だが、
流石にこの季節寒い中闘うのは苦があったのかもしれない、その姿は非常にやつれていた。
それもその筈、戦う相手は炎の鳥を扱う不死人で身体の状況を考えると幾ら不死と言えども輝夜にはそもそも本当なら今まで勝ち目が無かったのだ。


確かに妹紅は不死鳥を本格的に扱う事が出来ない、なぜなら積雪の中過度の炎を扱うと雪が竹から落下し銭湯の邪魔をしたり、雪の蒸発の蒸気によって輝夜を見逃してしまっていた。

逆に煙幕として不意を討とうとするも、蒸気の発信源である妹紅と共に蒸気も移動してしまうので、
あっさり居場所が突き止められる上に蒸気の中心にいるため輝夜の位置が掴めない為、
遠巻きに弾幕を放射されあっという間に倒される等等、
それならば移動する内は不死鳥を解除すれば良いのだが本人曰く「寒いから」だそうだ。

しかし逆にそれを利用し、炎を纏う事によって身の状態を良好にし、
適度な火力を維持し出来れば周りの雪に与える影響を無くせる、さらに炎弾にて蒸気の煙幕を発する事もできる。
それとは逆に輝夜は体と言えば凍死寸前。胸中も闘る気無し。

さらには唯一の希望である妹紅の不死鳥の再現不可能と見切って闘う事にしたものの、
妹紅と言えば不死鳥の扱いの正確さを極める事により、
積雪の竹林の中での不死鳥の発現に成功するようになっていた。

 

「まさか不死鳥を弓矢みたいにして扱われるとはね、と言うかなんで今まで火力を調整してなかったのかの方が不思議だけど。」
その言葉通り、今までの彼女は怒りに身を任せ最大火力で押し寄せてくる。
そんな所を足元をすくう事によって軽々とお手軽に勝利を得てきたのだが、
「やっぱり長生きすると性格が変わるのかしら?それとも恨みの方が無くなってしまったのかしら?」
最近の妹紅は物事を冷静に見定めるようになった。その為火を正確に自分の嫌な所を狙ってくるようになっていたし、
状況の分析がさらに早くなっていた上に先程の新しい弓矢を模した技。


「模倣炎・螺旋剣ねぇ、当たってから回転し始めるし痛いし熱いし無駄に正確だし・・・、それ以前にどこが剣なのかしら?確かに螺旋してたし痛かったけど。」
因みに妹紅曰くFateは文学だそうです。いや、知らないけど。

とにかく妹紅が輝夜に対する恨みが無くなって来た事は本当で、最近は永遠亭の面子と仲良くしている様もよく見受けられるようになっている。
逢う度に弾幕を仕掛けてくるものの、場所や空気を読むようになったので輝夜曰く、
「それにしても最近の妹紅とはやりづらいわ。」
だそうで。


「しかしこのままだとまた凍死しそうね。」
積雪の量が増え、どんどん風邪も強くなってきているのに対し、彼女の服にはどてっ腹に穴が開いている。
件の妹紅の新技に服の方が耐え切れなくなってしまったのだろう、衣服はあちこち破れて目が向けにくい状況になっていた。
(・・・ちょっと不味いわ。)

その言葉通り、現在の彼女に襲い掛かる三大欲求の一つ、睡眠欲。
それ即ち凍死の兆しが早速現れている。
歩くにつれて彼女の足取りも少しづつ遅くなっていく。
吹雪が容赦なく彼女の体力と体温を確実に奪い、重すぎる足取りもさらに眠気を誘っていた。
そして――
(あちゃー、やっぱだめね。)
彼女の動きは完全に停止し、その場で倒れこむ結果となった。


(もう冬にやり合うのは止めようかしら。それにしてもまた迷惑かけちゃうな。)
と、頭によぎる従者達の心配そうな顔。意識もボーッとしてきて非常に危険な状態だ。
いくら不老不死と言えども凍死してしまうと生き返ることは出来てもずっと動く事も思考することも出来なくなってしまうだろう。

実際その通りで以前も似たような事があった。
その時は雪山にてスノボーしていた所、転倒して転がり落ちてさらには崖から落下。挙句に足を砕いてしまい動けず凍死して遭難したのである。
結局雪解けの季節になるまで輝夜は発見されず、冷凍保存されたマグロのような状態で発見された。
凍っていた体を解かされ、先ず最初に待っていたのは永琳の平手打ちだったなぁと思い返す彼女。

その上には容赦なく雪が降り積もっていった―――。

 


「こんな所で寝たら風邪を引いてしまうよ?」
不意に声を掛けられたが、その方向を見る余力は無い。

「寝ているように見えたのなら貴方は間違いなく馬鹿の部類よ。馬鹿は死ななきゃ直らないから早々に死ぬ事をお勧めするわ。」
冗句を踏まえつつ挑発するように返す。だいたいこんな所に人がこんな時期に踏み入れるわけがない。
きっと酷い目に合わされるのだろうと予期しての返答だった。

「今にも死にそうなのによく言うよ。とりあえず喋るだけの余裕はあるんだね。」
返される言葉。取り合えず解った事は声の主は男で、人間では無い事くらいだろうか。

「余裕なんて無いわ。今にも朽ち果てそうだもの。不老不死でも凍死は避けなくちゃならないんだけどね。」
「不老不死?ああ、永遠亭の――、」
「あら、私も有名になった物ね。そこまで語り継がれるなんて。」
「霊夢と魔理沙が世話になったそうだね。」
ん?今こいつは何といった?

「永夜異変の犯人でお得意様である永琳さんの主人、輝夜さんで良かったかな?」
「貴方あの2人の関係者なの?そうよ私が輝夜だけど。」
「関係者と言うかなんと言うか、まぁうちのお客さんだよ。ツケばかり溜めていくからお客扱いはしたくないのだけれども。」

その言葉でこの人物が誰か理解する事が出来たわ。
こいつは香霖堂の主人、森近霖之助ね。おおかた永琳辺りが薬草でも注文したんでしょう。
その宅配の途中とかかしら?とりあえずなんとか――、

「おっと、このまま寝たら不老不死でも大変なんだろう?確か去年は遭難して大変な事になったみたいじゃないか。」
意識が途切れそうになった時、何故か腕を掴まれて何か温かいものを押し付けられる。
なんだろうと思いつつも残った力でそれにしがみ付き、体重を掛ける。
少し時間が経ってから彼の背中だというのを理解する事が出来た。


「うるさいわね、去年は去年今年は今年。それと助けろと言った覚えは無いけど?」
「残念だけどお得意様の機嫌を損ねて客を減らすわけには行かないからね。観念して僕に運ばれると良い。」
「・・・もう勝手にしなさい。」

それで早速第一印象は勝手な奴って決まったわね。こっちの意思とは関係無しに勝手に行動するんだから。
だけど正直有難い事には変わりない、永琳のビンタを受ける羽目にならない事になりそうだったし。
・・・まぁ今度はお尻ペンペンだったけれども。

「不死とは言えども体は大事にしないと。どんなに強くても一応生物学的には女の子なんだから。」
「あら?それって一応私は褒められてるのかしら?」
「何がだい。こんな格好で外をうろついているを褒めるわけがないだろう?とうとう頭まで凍りつき始めたのかい?」
「失礼ね、だけど――」
私は彼に改めて姿勢を直してしがみ付くと、

「正直限界ね。まぁ死にはしないからちょっと寝かせて頂戴。」
――意識を手放す事にした。まぁ永遠亭に付いたら永琳が居るし、間違った処置はしないでしょう。
「そうかい。まぁ好きにするといいよ。僕も好きにするから。」
「襲ったらどうなるかは解っているわよね?」
「いや、そっちじゃなくて。まぁ好き勝手に永遠亭まで運ばせてもらうよ。」
「あらそう、好きになさい――」

 

そこから記憶が無いから多分寝てしまったんでしょうね。
その後目を覚ました私に容赦なく永琳が愛のムチを放ってきたけれどもそれは余談かしら。


案の定聞いてみると永琳はこの時期にしか取れない奇特な薬草を注文していて、それの配達中に私を見かけたそうだわ。
やっぱりいきなり女の子が雪を被って倒れていたら目立つわよね。
それで運んでくれたみたいで私と薬草を届けるとそこそこに帰っちゃったそうよ。
例の一つも言う暇が無いしいっそ泊まっていけば良かったのに、やっぱり彼は勝手な奴ってのが印象に残っているわ。

 

 

 

 

 

 

―――それが私と彼との始めての出会いよ。
まだ何か質問があるかしらブン屋さん?

 


―――そろそろ時間ね、行かなくちゃ。
あの人が待ってるわ。

 


―――ええ、有難う。
式は見て行くのでしょう?楽しんで行ってね。

 


―――それじゃあ。
会場で披露するわ。花嫁衣裳って奴を――ね。

 

 

 


輝夜の結婚前インタビュー。

終わり


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プロフィール
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刑事ボロンゴ
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34
性別:
男性
誕生日:
1989/11/08
職業:
学生兼店員
趣味:
楽の探求
自己紹介:
ヘタレ、知らない間に告白されて知らずに振っていたというポルナレフ的な体験をするような大ボケ。
散髪する金が勿体無い今日この頃。


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霖之助とその他女性キャラとの妄想話など
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